「月」
- ヒロト オフィス ククナ
- 4月8日
- 読了時間: 2分
横浜白楽の「nap」というアコースティックライブハウスは、扱っても扱わなくてもいいけれどという緩い月間のテーマがあって、2024年の9月は「Moon/月」でした。こじつけられるレパートリーもなく、どうしようかな〜と思っていたある帰り道、空に浮かんだ丸い月を見て、ふっと思い出したことがあり、それをテーマに歌にしてみました。このアルバムでは一番最後にできた曲です。
とうに亡くなってしまいましたが、母方の祖母がいました。僕には、祖父はおらず、祖母もこのばあちゃんだけ。一緒には暮らしてなかったのですが、半年に一回くらいのペースで我が家に来てくれて、来れば2週間くらい滞在しました。彼女が来た日は、学校から帰ると玄関に着物の匂いがして、「あ、おばあちゃん来てる!」と喜んだことを覚えています。
祖母は、昔、先生だったらしく話が上手で寝る前に聞かせてくれる昔話を聞くのが、とても楽しみだった。戦時中の話とかでしたかね・・・。話自体はあまり覚えていないのですが、彼女とのエピソードで、いまだに忘れられないことがあります。
ある日、祖母が、僕ら(僕と弟)に対して、何か喜ぶようなサプライズを伝えたんですよね。(サプライズの中身は覚えてません。)
その時、僕らは思わず「うそぉ!」っていいました。もちろんこれは、喜びの反応のつもりだったのですが、彼女は少し怒って、言いました。「どうして、わたしがあなたたちに嘘をつくと思う。「ほんとう?」って言いなさい」と。
これが、なんか腑に落ちたんですよね・・・。その後、今に至るまで、「うそっ!」とは言わないようになりました。そんな小さなエピソードを、ぐっと美化した感じの歌詞になっております。本来は逆ですが、この曲を歌うようになってからは月を見るたびに、おばあちゃんのことを思い出すよううなりました。
子供の頃、当時の大人から教わったことで大切にしていることって、きっと誰にでもあるのではないでしようか。いつのまにか、逆の立場の世代になってしまいました。何か誰かのこころに残るような言葉を残せるといいなとは思いますね。
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